エホバの証人が輸血拒否をする3つの理由…なぜ輸血禁止をするの【わかりやすく解説】

なぜエホバの証人の信者が輸血拒否をするのか?とネットやSNSなどで話題になっています。その理由は、輸血拒否で小学生が亡くなった事件を弁護士らが「虐待が疑われる事例が報告されている」厚生労働省に通報したからです。

そもそも、エホバの証人が何の団体かわからない人も多いでしょう。

エホバの証人は、キリスト教系の宗教団体であり、輸血を禁止する理由は、

  • 人間の命は神が与えたも
  • 自分以外の輸血は命を軽んじる

とうい解釈をしている宗教団体です。なので輸血禁止、輸血拒否という言葉が出てきます。

簡単に言いますとエホバの証人はヨーロッパで生まれたキリスト教の教えから枝分かれした新興宗教団体です。

今回は、エホバの証人の創設から輸血禁止まで、わかりやすく解説してきたいと思います。

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エホバの証人とは?

エホバの証人の輸血拒否する理由ですが、エホバの証人の始まりからみていきましょう。始まりから見ていけばわかりやすいので。

エホバの証人とはキリスト教系です。1870年代にアメリカ合衆国で創設されました。キリスト教の始まりはローマ帝国でヨーロッパが発祥とされています。

1800年代後半、航海技術が発達したことによりヨーロッパからやってきた人がアメリカに移り住むようになりました。

ヨーロッパでは広くキリスト教が信仰していました。しかし、中には「ちょっとキリストの考えが違うぞ」と疑問や不信に思った人がいたようです。

もともと自由を求めてアメリカ大陸に来た人が多いので、宗教も新しい新興宗教が生まれたようです。

例えると日本も同じです。仏教は約2,500年前にインドで誕生し、中国、朝鮮半島を経て日本へと伝来しました。そして日本の仏教もいろんな宗派があるのと同じです。

エホバの証人の創始者はチャールズ・テイズ・ラッセルによって始まりました。

画像引用元 Wikipedia

チャールズ・テイズ・ラッセルはキリス教の聖書を根本にしました。聖書を徹底的に研究し、信仰の基盤としています。

しかし、チャールズ・テイズ・ラッセルはどうしても聖書の一部が納得できないようです。そこでチャールズ・テイズ・ラッセル は同じような悩みを持つ仲間を集めて国際性聖書研究者協会も開くことにしました。

チャールズ・テイズ・ラッセルは独自の解釈で研究を進めました。賛否評論がある中、チャールズ・テイズ・ラッセルの意見が正しいと思う人が増えてきました。
そして、古来からあるキリストの教えから、新しい解釈、つまり新しい考えができたということです。それがエホバの証人です。
キリスト教の信仰対象はイエスキリストです。神様の子であるイエスを神様だと考えています  このイエスの教えこそがキリスト教の信仰のベースとなっています。
れに対してエホバの証人の信仰対象はエホバです。エホバという名前は、ヘブライ語で書かれた聖書(旧約聖書)に登場する神の名前であり、絶対的な神だそうです。
つまり、エホバ証人というのはキリスト教においてこの世のすべてを創造した神様のことです。

エホバの証人は積極的に布教活動をしています。その活発な活動は世界各国に広まり日本にも広まってきました。

エホバの証人は、一部の医療行為を拒否することで知られています。彼らは、自分たちの信仰に基づいて、輸血や臓器移植など一部の医療行為を拒否することがあります。

それはエホバの証人が聖書を独自に解釈してできた新しい教えに基づいているからです。そしてエホバの証人は禁止事項を作りました。

エホバの証人の信仰において、以下のような禁止事項があるとされています。
  1. 聖書の中で「命の血はその命自体にある」という言葉を根拠に輸血を禁止する
  2. 交際や結婚に関してエホバの証人の共感がある人に制限。エホバの証人以外はNG
  3. 性行為は結婚の中でのみ許され、結婚前の性行為は禁止されています。
  4. 聖書における「殺すな」という教えに基づき、軍隊への従事や戦争への参加を禁止しています。
  5. 聖書における「私たちはこの世界の一部ではない」という教えに基づき、政治活動や選挙への参加を禁止しています。

エホバの証人における禁止事項の一部です。ただし、個人によってはこれらの禁止事項に従わない場合もあります

それは21世紀に入っても方針は変わらないようです。そして強情な信者がそれらを受け継いでいきます。

この後に輸血禁止、輸血拒否について詳しくわかりやすくお話しします。

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エホバ証人が輸血禁止・輸血拒否をする3つの理由とは?

エホバの証人が輸血をしない理由は、人の命は神から受けた贈り物であり、血液を受けることは命を軽んじることになると考えているためです。

エホバの証人が輸血禁止をする理由は解釈によって様々あると思いますが、私の調べて結果では大きく分けて3つあると思います。

  • 聖書の命令
  • 感染症を引き起こすリスクがある
  • 代替療法の存在

などが挙げられます。ひとつずつみていきましょう。

聖書の命令

聖書の使徒言行録の15章28-29節には、

「聖霊と私たち自身との共に決めたところによれば、イエス・キリストの名の下による彼らの食物を食べることは差し控えなければならない」

ということが書いてあります。エホバの証人はこれを血液を含む食物の摂取と同様に、輸血も差し控えることが必要であると解釈しています。

簡単にいうと人間の命を神が与えたものと考え、人間が「生き血」を摂取してはならないという命令が聖書に含まれているからです。

「生きた血」とは人間や動物の体内で循環している血液のことです。なので、エホバの証人は血液や血液製剤を含む食品を摂取することは禁止されています。

血液や血液製剤を含む食品は以下のようなものがあります。

① 生肉、生魚、レバー、血液ソーセージ、ブラックプディング、ブラッドソーセージなど、直接的に血液を含む食品。

② 血液を添加した肉や肉製品、スープ、ソース、調味料、グレービー、コンソメなど、加工食品の中に血液が含まれるもの。

③血液成分を含む医薬品、ビタミン剤、ワクチンなど、薬品や医療製品の中に血液成分が含まれるもの。

輸血以外にも血液が含む食品も制限があるようです。いずれにしても自分以外の血液を入れない摂らないということですね。

食事制限は他の宗教にもあります。

  1. イスラム教:豚肉、飲酒、肉と乳製品の同時摂取が禁じられています。

  2. ユダヤ教:豚肉、海産物のうち殻があるもの、ある種の鳥類が禁じられています。

  3. 仏教:一部の宗派では、肉食を禁じるものもあります。

  4. ヒンドゥー教:牛肉の摂取が禁じられています。一部の宗派では肉食全般を禁じるものもあります。。

食事制限までなら理解できますが、輸血は人命に関わるので懸念されますね。

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感染症を引き起こすリスクがある

エホバの証人は、聖書に書かれた「生き血を摂取してはならない」という教えに従って、輸血を避けています。

輸血によって感染などの病気のリスクを避けたい考えだそうです。

輸血以外にも血液製剤の使用を避けています。輸血と血液製剤の違いは、

  • 輸血は、直接ドナーから提供された全血または血液成分を、患者にそのまま輸血する処置
  • 血液製剤は、血液から抽出・分離・精製された医薬品であり、必要な成分だけを取り出して使用

いずれにせよ血液には変わりません。

輸血や血液製剤の途中で細菌やウィルスなどが体内に入って感染を防ぐためだと言われています。

ローマ帝国時代やエホバの証人が始まった1800年代なら医療が発達していないので、感染のリスクを考えて輸血などを懸念する考えはわかります。

しかし、現代は21世紀です。医療も発達しています。またエホバの証人の主張は、アレルギーやその他の反応を引き起こす可能性があるとも言っているようです。

感染やアレルギーより、事故や手術などで輸血しないと最悪は死亡します。

1985年、神奈川・川崎市で小学校5年生の男の子がダンプカーにはねられ病院に搬送されました。男の子は輸血をすることができず、5時間後に出血多量で死亡しました。

輸血できなかった理由は、死亡した両親がエホバの証人の信者でした。宗教上の理由で輸血を拒否したためなくなりました。

輸血ができれば男の子は助かっていた可能性は十分にあります。宗教は幸せの為にあるのでは?と私は思います。

死亡した男の子の両親は、助かるかもしれない息子の命より宗教の教えを優先したよに見えました。その行動は幸せなんでしょうか。

もっと見直す点があると私は思いました。

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代替療法の存在があるから

エホバの証人は輸血などは禁止しています。なので、エホバの証人は、輸血以外の代替療法を行うようです。代替療法を選ぶことで、自分たちの信念と健康のバランスを取ることができると考えているからです。

代替療法には、輸血の代わりに自己血回収や人工血液、細胞保存術などがあります。

自己血回収・人工血液・細胞保存術
  1. 自己血回収:自己血回収は、予定された手術前に、患者が自分自身の血を寄付することです。手術中に失われた血液を補うため、手術中に自己血が輸血されます。

  2. 細胞保存:細胞保存は、手術前に患者から採取された血細胞を冷凍保存することです。手術中に必要に応じて解凍され、輸血されます。

  3. 血液代替製剤:血液代替製剤は、人工的に作られた製品であり、血液代替物質を含みます。代表的なものには、輸液、血液浸透圧調整剤、輸液置換剤、酸素運搬剤、凝固因子などがあります。

これらの代替療法は、輸血のリスクを回避することができるだけでなく、自分たちの信念を守りながら健康を維持することができるという利点があります。

エホバの証人は、自分たちの信念に基づいて、健康を守る方法を選択することができるため、代替療法の存在は彼らにとって重要なものとなっています。

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エホバの証人の家族や子供は輸血禁止・輸血拒否 されるのか?

最後にエホバの証人の家族や子供は輸血禁止・輸血拒否 されるのか?先ほどの川崎市の事故の男の子は両親がエホバの証人の信者という理由で輸血拒否されて亡くなりました。

本人の意思や同意などはわかりませんが、一般的論では虐待死と言われても過言ではないと思います。しかし、現実は悲しく、警察は「子どもが死亡したのは事故のためで、輸血をしなかったためではない」として刑事責任は追及しないということになりました。

これは氷山の一角だと私は思い他にもこういう被害者がたくさんいると思います。

2023年2月27日、宗教団体「エホバの証人」が子どもに輸血を受けさせないのは虐待に当たる疑いがあるとして、弁護士らが厚生労働省に通報したようです。

尊い命を守るために、どうか一日も早く対策を望んでいます。

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